MED INFO

医師の自学自習のためのブログ

CMVアンチゲネミア法(C7-HRP、C10/11)をどう使うか

日常臨床でCMVアンチゲネミア(C7HRPまたはC10/11)が測定されることがある。「CMVアンチゲネミアが陽性」であれば、CMV infectionであると言える。 CMV infection:体液や組織からCMVの抗原や核酸が分離できる状態で、症状・所見の有無を問わない。 CMV dis…

メトロニダゾール脳症・セフェピム脳症

メトロニダゾール脳症は投与1ヶ月以降(中央値約50日)に発症し、末梢神経障害や失調、意識障害などを呈する。診断にはMRIを。 セフェピム脳症は平均5日(1-10日)と短期間で出現し、ミオクローヌスや痙攣が特徴的。診断には脳波を。 メトロニダゾール ・メト…

薬剤性肺障害の原因薬剤―薬剤別

参考:薬剤性肺障害の診断・治療の手引き2018 ブレオマイシン イリノテカン アムルビシン シスプラチン・カルボプラチン オキサリプラチン ゲフィチニブ エルロチニブ mTOR阻害薬 メソトレキセート サラゾスルファピリジン・メサラジン(アサコール、ペンタ…

薬剤性肺障害の原因薬剤―臨床病型からみた分類

参考:薬剤性肺障害の診断・治療の手引き2018 間質性肺炎 肺水腫 好酸球性肺炎 気道系病変 肺血管病変 胸膜病変 間質性肺炎 EGFR-TKI、mTOR阻害薬、プロテアソーム阻害薬(ボルテゾミブ) レフルノマイド、メソトレキセート、ペニシラミン、金製剤 ブレオマ…

MAC抗体について

参考:呼吸器ジャーナル2018;66 MAC抗体について ●glycopeptidolipid(GPL)はMAC壁成分である。MACの血清型を規定し、GPL-coreと糖鎖からなる。 ●抗GPL-core IgA抗体(キャピリアMAC抗体ELISA)が実用化され、2011年から保険適応になっている。IgG抗体も検…

肺非結核性抗酸菌症(MAC以外)の概要・治療

参考:呼吸器ジャーナル2018;66 ※Runyon分類:固形培地におけるコロニー形成に7日を超える遅速発育菌(I、II、III群)と7日以内の迅速発育菌(IV群)がある。迅速発育菌で有名なのがM abscessus complex、M fortuitum、M chelonae。 M abscessus(迅速発育…

肺高血圧治療薬一覧

肺高血圧の薬剤一覧 プロスタサイクリン アナログ エポプロステロール フローラン 注 トレプロスチニル トレプロスト 注 ベラプロスト ドルナー/プロサイリン 錠 セレキシパグ ウプトラビ 錠 イロプロスト ベンテイビス 吸入液 エンドセリン受容体拮抗薬 ボ…

閉塞性睡眠時無呼吸の症状・質問票

閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea:OSA)の自覚/他覚症状 ●日中の眠気、睡眠中のいびき/窒息(choking)。窒息や喘ぎ(gasping)は特異度が高い(JAMA 2013;310:731)。OSAの眠気はただの疲労とは異なり、起きていられない眠さ。 ●重症例では夜…

閉塞性睡眠時呼吸の診断・ポリソムノグラフィー

閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea:OSA)の診断基準 ●日本独自のものはない。以下のCPAPの保険適応基準があるのみ。 1-3のすべて。無呼吸低呼吸指数(AHI)が40以上なら2だけでよい。 1 AHIが20以上 2 日中の傾眠、起床時の頭痛などの自覚症状が…

抗リウマチ薬(生物学的製剤)一覧

【】内は標的 【TNFα】 インフリキシマブ レミケード キメラ 適:RA、クローン、ベーチェットによる網膜ぶどう膜炎 尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、強直性脊椎炎 潰瘍性大腸炎、川崎病 エタネルセプト エンブレル TNFα受容体とIgGのFcの融合タンパク…

死亡診断書記入マニュアルを読んで

平成31年版の死亡診断書(死体検案書)記入マニュアルを読んで感じたこと。 特にことわりがない引用は記入マニュアルからの引用です。また、厚労省通知「医師による異状死体の届け出の徹底について」および厚労省事務連絡「「医師による異状死体の届け出の徹…

COPD治療薬一覧

LAMA スピリーバ チオトロピウム18/5 DPI(吸入用カプセル)/ SMI(レスピマット)1日1回 シーブリ グリコピロニウム50 DPI(吸入用カプセル)1日1回 エクリラ アクリジニウム400 DPI(ジェヌエア)1日2回 エンクラッセ ウメクリジニウム62.5 DPI(エリプタ…

気管支喘息治療薬一覧

参考:難治性喘息診断と治療の手引き2019 吸入ステロイド ●JGLでは、保険承認の最高用量を「高用量」、その半量を「中用量」、その半量を「低用量」としている。 ●GINAでは最高用量の上限が設定されていない。 BDP:キュバール(エアゾール;大日本;50、100…

ランナーと貧血

長距離を専門とする中高生に鉄製剤を静注する。 いまだにやらせている指導者がいるとはにわかに信じられません。投与に応じる医者も同罪。怒りを覚えます。 さて、昔からある古いテーマのようですが、pubmedで「runner, anemia」で検索しても30ほどしか出ず…

ステロイド維持治療が難しければ、必要時シムビコートでもいいかもしれない

Novel START trial 気管支喘息に対しては、「何はなくとも吸入ステロイドの定期吸入」と認識していますが、「薬を続けるのはちょっと」という患者さんが多いのは仕方のないこと。アドヒアランスもよくありません。 そんな人にシムビコートをレリーバーとして…

脊椎カリエスの特徴・診断

・慢性の炎症により骨・歯牙が腐った状態をカリエス(独語Karies、英語caries)と呼ぶ。虫歯もカリエス。 ・日本では伝統的に結核性の骨病変を指してカリエスと呼んでおり、かつては脊椎カリエスのほか、肋骨のカリエス、骨盤のカリエスなどよく見られたはず…

ウイルスがコントロールされたHIV患者からHIVは伝播しない「U=U」

U=U taking off in 2017 Lancet HIV 2017;4(11):e475 Editorial ●ウイルス学的にコントロールされたHIV感染患者は、性的接触によって他人にHIVを感染させることはないらしい。 ●2016年に「the Undetectable=Untranmissable (U=U) slogan」がPrevention Acces…

破傷風―Review

Tetanus Seminar Yen LM, Thwaites CL. Lancet 2019;393:1657 Introduction 破傷風tetanusは芽胞形成性spore-formingの細菌のClostridium tetaniが産生する神経毒を原因とするvaccine-preventable diseaseである。C tetaniの芽胞は世界中の環境中に存在し、…

結核―Review

Tuberculosis Seminar Lancet 2019;393:1642 Epidemiology, pathogenesis, and risk factors ●WHOの推計では2017年の新規発症は1000万人、うち870万人は結核がhigh-burdenな30ヶ国に住んでいる。640万人で診断および届出がなされており、130万人は死亡してい…

黄色ブドウ球菌菌血症

参考: INTENSIVIST 2019;11:3 「重症ブドウ球菌菌血症に対する治療」 Hospitalist 2013;1:241 「フォーカス不明の菌血症・敗血症」 AHA 感染性心内膜炎ガイドライン2015 循環器学会 感染性心内膜炎ガイドライン ●黄色ブドウ球菌菌血症(SAB)の90日死亡率は…

感染性心内膜炎の内服スイッチ―NEJM 2019 POET trial

Partial Oral versus Intravenous Antibiotic Treatment of Endocarditis Iversen K, et al. N Engl J Med 2019;380:415-24 POET trial Abstract 左心系の感染性心内膜炎は通常6週間の静注抗菌薬投与を必要とする。治療途中に静注から内服抗菌薬に変更した場…

梅毒検査の成績―CID2019

Performance of Treponemal Tests for the Diagnosis of Syphilis Park IU, et al. Clin Infect Dis 2019;68:913 梅毒診断はlecithin、cardiolipin、cholesterolなどのlipoidal antigensに対する反応をみるnontreponemal serology (rapid plasma reagen (RPR…

デング―Review

Dengue Wilder-Smith A, et al. Lancet 2019;393:350 Seminar Introduction ●デング熱は節足動物媒介arthropod-borneのウイルス性疾患で、熱帯・亜熱帯地域に大きな疾病負荷disease burdenを強いている。Arbovirus疾患として最も頻度の高い疾患である。 ※ア…

診断書のハンコについて

headlines.yahoo.co.jp 医者が書く書類でハンコを押すものとして「診断書」「処方箋」があります。シャチハタや、ハンコのついたボールペンを携帯している医者がほとんどかと思います。 しかし時にシャチハタを忘れることがあり、そんなとき署名だけでよいの…

心房細動合併冠動脈疾患の治療―エビデンスまとめ

冠動脈疾患合併の際の注意点 安田聡・浅海泰栄 日本内科学会雑誌 2019;108:242 特集 Common diseaseとしての心房細動 【エビデンスまとめ】 WOEST trial(Lancet 2013;381:1107) ・2008-2011年、抗凝固薬を必要とするPCI症例573例(AFは69%) ・ワルファリ…

心房細動合併冠動脈疾患の治療―NEJM 2019 AUGUSTUS trial

「心房細動患者における、急性冠症候群またはPCI後の抗血栓療法」 ・triple therapyではなく、抗凝固薬(今回はアピキサバン:エリキュース)+P2Y12阻害薬(9割がクロピドグレル)の2剤で、アスピリン抜きのレジメンがよかろうという報告。 ・ベースにP2Y12…

高齢者でもスタチンは有用か―Lancet 2019

「高齢者におけるスタチンの効果と安全性:28のRCTのメタアナラシス」 ・75歳超の高齢者でもスタチンを使用したほうがよさそうというデータ。 ・スタチンによるLDLコレステロール低下は75歳超の患者においても、major vascular events (冠動脈疾患、冠動脈再…

COPDの診断と外来での対応―Review

Diagnosis and Outpatient Management of Chronic Obstructive Pulmonary Disease Review Riley CM and Sciurba FC. JAMA 2019;321:786-797 COPDは完全には可逆性ではない気流閉塞に、持続性の呼吸器症状(呼吸困難、咳、喀痰の増加)を伴うものと定義される…

ペニシリンアレルギーの評価と対応―Review

Evaluation and Management of Penicillin Allergy: A Review Shenoy ES, et al. JAMA 2019;321(2):188-99 ●抗菌薬投与の多くが不適切な使用であり、耐性やClostridium difficile(CD)感染症を含む副作用の原因となる。WHO、CDC、President’s Council of Ad…

麻疹―Review

Measles Seminar Moss WJ. Lancet 2017;390:2490-502 Introduction ●麻疹は感染性の強い、急性ウイルス性熱性疾患である。遺伝学上はrinderpest virusに近い(ウシの感染症の原因となり、2011年に世界動物保険機構が根絶を宣言)。歴史的なエビデンスには乏…