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医師の自学自習のためのブログ

COPD治療薬一覧

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LAMA

スピリーバ チオトロピウム18/5 DPI(吸入用カプセル)/ SMI(レスピマット)1日1回

シーブリ グリコピロニウム50 DPI(吸入用カプセル)1日1回

エクリラ アクリジニウム400 DPI(ジェヌエア)1日2回

エンクラッセ ウメクリジニウム62.5 DPI(エリプタ)1日1回

 

LABA

セレベント サルメテロール25or50 DPI(ディスカス)1回50・1日2回

オーキシス ホルモテロール9 DPI(タービュヘイラー)1日2回

オンブレス インダカテロール150 DPI(吸入用カプセル)1日1回

ツロブテロール(テープ)

 

LAMA/LABA

ウルティブロ グリコピロニウム50+インダカテロール110 DPI(吸入用カプセル)1日1回

アノーロ ウメクリジニウム62.5+ビランテロール25 DPI(エリプタ)1日1回

スピオルト チオトロピウム5+オロダテロール5 SMI(レスピマット)1日1回

ビベスピ グリコピロニウム7.2+ホルモテロール4.8 MDI(エアロスフィア) 1回2吸入・1日2回

 

ICS/LABA

アドエア サルメテロール50(DPI)/25(MDI)+フルチカゾンプロピオン酸エステル250(DPI)/125(MDI) ディスカス250を1回1吸入・1日2回、エアゾール125を1回2吸入・1日2回

シムビコート ホルモテロール4.5+ブデソニド160 1回2吸入・1日2回

レルベア(100のみ) ビランテロール40+フルチカゾンフランカルボン酸エステル100 1回1吸入・1日1回

フルティフォームはCOPDに適応なし

 

ICS/LAMA/LABA

気管支喘息に適応なし

テリルジー ウメクリジニウム62.5+ビランテロール25+フルチカゾンフランカルボン酸エステル100 DPI(エリプタ)1日1回

ビレーズトリ グリコピロニウム7.2+ホルモテロール4.8+ブデソニド160 MDI(エアロスフィア)1回2吸入・1日2回

 

COPD診断と治療のためのガイドライン2018より

増悪予防

・LAMA、LABA、ICSはそれぞれCOPD増悪頻度を20-30%減少させる。

・LAMA(チオトロピウム)はLABA(サルメテロール・インダカテロール)よりも増悪予防効果が高い。LABAはLAMAよりも症状改善しやすい。

・LAMA/LABA(グリコピロニウム+インダカテロール)はLAMA単剤(グリコピロニウム、チオトロピウム)よりも増悪予防効果が高い。

・ICS/LABAはICS単剤、LABA単剤よりも増悪予防効果が高い。

・ICSの長期使用は肺炎のリスクを増大させる。

・LAMA/LABAはICS/LABAよりも増悪頻度、肺炎リスクが低い。

・LAMA/LABAにICSを上乗せしても増悪予防効果はなく、またICS/LAMA/LABAからICSを中止しても増悪頻度は増加しない。ただし事後解析で好酸球が高い症例ではICS上乗せ効果あり。

 

※現時点での使い方

・まずLAMAを考慮。LAMAが使いにくい患者(特に前立腺肥大や緑内障)ではLABAを考慮。

・LAMA単剤で不十分ならLAMA+LABAを考慮。LAMAが使えないためにLABA単剤を選んだ患者は難しい……LABAの変更? ICS/LABA?

・病歴や好酸球、FENOなどで喘息らしい要素があればICSを。ICS+LAMAでもよいが合剤がないのでふつうはICS/LABAか。

・ICS/LAMA/LABAは簡単には使いにくいのでは? 

※日経メディカルの記事で、まずICS/LAMA/LABAを3ヶ月使用し、その後LAMA/LABAに変更するというオピニオンを読んだ。明らかにACOで症状も強ければ選択肢と思われるが、COPDの多くの症例で初期に用いるのは乱暴な気がする。