MED INFO

医師の自学自習のためのブログ

ダプトマイシン(キュビシン)の腎機能障害時の投与

MRSA薬の第一選択は伝統的にバンコマイシンとされているが、腎障害が進行した場合の代替薬としてキュビシンに変更するときがある。

 

キュビシン 1バイアル=350 mg

●添付文書

 クレアチニンリアランス(CCr)が、

  30以上→通常用量(4ないし6 mg/kg)を24時間毎

  30未満→通常用量を48時間毎(血液透析または持続腹膜透析患者を含む)

 

●サンフォード

 添付文書と同様

 ただし週3回の透析で次の透析まで72時間あるときは50%増量(9 mg/kgなど)

 

●Kucers

 CCr<30、血液透析(hemodialysis)、腹膜透析(peritoneal dialysis)、continuous venovenous hemofiltrationでは48時間毎

 週3回の透析を受けている患者ではこれでは不十分かもしれない。26人のデータでモンテカルロシミュレーションを行い、次の透析まで48時間あるときは通常量、72時間あるときは50%増量するとよいとされた(AAC 2013;57:864)。サンフォードの根拠。

 重症患者でcontinuous renal replacement therapyを受けている患者ではデータが少ない。TDMを行うとよい。通常量より多く投与したほうがよいかもしれない。