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医師の自学自習のためのブログ

LRINECスコア

★有名なスコアなので知っておくに越したことはない。ライネック、ルリネックなどと読んでいる人がいる。

★「目の前の疑い患者」に有用かどうかは微妙。あくまで病歴、バイタル、身体所見を重視する。除外には使わない。かなり疑わしい患者に対して補助的に使用するのはありだろう。

 

元文献:

The LRINEC (Laboratory Risk Indicator for Necrotizing Fasciitis) score: A tool for distinguishing necrotizing fasciitis from other soft tissue infections.

 Crit Care Med 2004;32(7):1535-1541

 PMID 15241098

 

シンガポール

・development cohortは壊死性筋膜炎necrotizing fasciitisの連続89人と、同時期に入院したsevere cellulitisまたはabscesses患者からランダムに抽出した225人

・validation cohortは別の施設の壊死性筋膜炎の連続56人と、同時期に入院したsevere cellulitisまたはabscesses患者からランダムに抽出した84人

 

CRP(mg/dL)

 <15 0点、≧15 4点

白血球(cells/µL)

 <15000 0点、15000-25000 1点、>25000 2点

ヘモグロビン(g/dL)

 >13.5 0点、11-13.5 1点、<11 2点

血清Na(mmol/L)

 ≧135 0点、<135 2点

血清クレアチニン(mg/dL)※元文献ではµmol/Lで表現(カットオフ141)

 ≦1.6 0点、>1.6 2点

血糖(mg/dL)※元文献ではmmol/Lで表現(カットオフ10)

 ≦180 0点、>180 1点

 

Validation cohort  Low(≦5点) Moderate(6-7点) High(≧8点)

necrotizing fasciitis  4(7.1)   9(16.1)     43(76.8)

control       77(91.6)  5(6.0)      2(2.4) n(%)

→5点以下と6点以上で分けたときに、陽性的中率92%、陰性的中率96%

 

 

問題点:

CRPのデータが14%で欠けている

・先行する抗菌薬投与の解釈

・壊死性筋膜炎の検査前確立が28%と高い

・後ろ向き研究であり、早期診断や予後改善に役立つかは不明