MAC抗体について
参考:呼吸器ジャーナル2018;66
MAC抗体について
●glycopeptidolipid(GPL)はMAC壁成分である。MACの血清型を規定し、GPL-coreと糖鎖からなる。
●抗GPL-core IgA抗体(キャピリアMAC抗体ELISA)が実用化され、2011年から保険適応になっている。IgG抗体も検討されたが、IgAのほうが有用であった。
●GPLはMAC以外に、M abscessus、M fortuitum、M chelonae、M scrofulaceum、M smegmatisなどに存在する。TBやM kansasiiには存在しない。
●キャピリアMAC抗体では、カットオフを0.7 U/mLとすると感度84%、特異度100%(肺MAC、TB、その他の肺疾患、健常人で検査をして)。14研究のメタアナでは、診断オッズ比23、感度69%、特異度90%、陽性尤度比7.4、陰性尤度比0.34。
●肺MAC症における線維空洞型と結節拡張型ではMAC抗体の有用性に差はない(あるという報告もある)。
●M aviumとM intracellulareではMAC抗体の有用性に差はない。
●高度病変があるほど抗体価が高く、陽性率が高い。塗抹陽性例は陰性例よりも高い。外科治療や薬剤により抗体価は低下し、再燃すると上昇する。したがってモニタリングに有効かもしれない。
●偽陰性は塗抹陰性例、病巣が小さいなど。疾患活動性が高くても20-30%の症例でGPLに対する抗体が産生されないとされる。
●肺外MAC症での有用性は不明。