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経口lefamulinの肺炎に対する効果(原著)

原著

肺炎:経口Lefamulin vs Moxifloxacin

(JAMA 2019;322(17):1661-1671)

The LEAP 2 Randomized Clinical Trial

 

★lefamulinはアイルランド・Nebriva Therapeutics社の新規抗菌薬。

★2019年8月にFDAが承認

★商品名「Xenleta」。150 mg静注製剤と600 mg錠あり。

★肺炎球菌、MSSA、インフルエンザ桿菌、レジオネラ、マイコプラズマ、クラミドフィラなどに有効と。キノロンに近い?

 


背景

●市中肺炎に対する新規抗菌薬が求められている。耐性菌や、現在の治療薬による副作用の問題があるからである。

●lefamulinは最初のpleuromutilin抗菌薬で、静注薬、経口薬が存在する。先行研究(LEAP 1)ではPORTリスク3以上の肺炎患者で、静注薬→経口薬の治療が、モキシフロキサシンと比較して非劣性であった。

 

方法

●5日間・経口lefamulinの市中細菌性肺炎に対する効果と安全性を検討する。

●phase 3、非劣性、ランダム化、double-blind、double-dummy。19ヶ国の99施設で実施された。

●1:1のランダムに、経口lafamulin(600 mg 12時間毎・5日間 n=370)か、モキシフロキサシン(400 mg 24時間毎・7日間 n=368)に割り付けた。

●対象は18歳以上、PORTリスクが2、3、4、画像的にドキュメントされた肺炎、急性発症、市中肺炎の症状が3つ以上ある、2つ以上のバイタルサイン異常がある。患者は30日間フォローされた。

●最初の患者visitが2016年8月30日、最後のフォローアップvisitが2018年1月2日だった。

FDAのprimary endpointはearly clinical response at 96 hours。4つの肺炎症状のうち2つ以上が改善し、悪化傾向の症状がなく、研究薬以外の抗菌薬投与を受けていないことが条件。FDAのsecondary endpointは、investigator assessment of clinical responseで、最終投薬の5-10日後の改善とした。

 

結果

●738人が割り付けられ、平均年齢57.5歳、女性47.6%。360人はPORTリスク3または4。707人(95.8%)が予定通りフォローされた。

●early clinical response、investigator assessment of clinical responseは、lefamulin群で90.8%、89.7%、モキシフロキサシン群で90.8%、93.6%だった。非劣性示された。

●最も頻度の高かった副作用は、胃腸症状。下痢、嘔気が、lefamulin群で12.2%、5.2%、モキシフロキサシン群で1.1%、1.9%だった。

 

結論

●early clinical responseについて、5日間の経口lefamulinは、7日間のモキシフロキサシンに対して非劣性であった。