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Targeted Lung Denervation for COPD(原著)

原著

Targeted Lung Denervation for symptomatic COPD

Am J Respir Crit Care Med 2019;200(12):

AIRFLOW-2

 

COPDに対するTargeted Lung Denervation治療の効果。

気管支喘息のサーモプラスティみたいな治療?

 

TLD 41人 vs シャム 41人で比較。

ランダム化後3~6.5ヶ月の期間の呼吸器系イベントは32% vs 71%。

COPD増悪による入院は1年以内で12% vs 32%。

 


背景

COPDでは、気道の副交感神経から放出されるアセチルコリンによって平滑筋の収縮や、気道分泌亢進、炎症が引き起こされる。抗コリン薬は重要な治療薬である。

●Targeted lung denervation(TLD)とは、気管支鏡的に高周波によってCOPD患者の気道をアブレーションし、副交感神経を傷害することで、COPDにおける気道抵抗・粘液分泌を抑制する新規の治療法である。AIRFLOW-1(Respiration 2019;98:329-339)では、安全性やdoseの検討が行われた。

●本研究AIRFLOW-2ではTLDの効果と安全性の評価を目的とする。

 

方法

●多施設、ランダム化、シャムと1:1で比較、二重盲検

●mMRCスコア2以上またはCATスコア10以上のCOPD患者

TLD群はNuvaira社のNuvaira lung denervation therapyを受ける。

●primary endpointはランダム化後3~6.5ヶ月の期間の、respiratory adverse effects(COPD増悪、頻呼吸、wheezing、気管支炎の悪化、呼吸困難の悪化、インフルエンザ、肺炎、その他の呼吸器感染症、呼吸不全、治療が必要なairway effects)

 

結果

●82人がランダム化され、TLD群41人、シャム群41人。

●女性50%、平均年齢63.7歳、%FEV1 41.6%、mMRC 2.2、CAT 18.4。

●95%がoptimalな吸入治療を行われており、ICS/LABA/LAMAが約6割。

 

●ランダム化後3~6.5ヶ月の期間のrespiratory adverse effectsは、TLD群 32% vs シャム群71%(OR 0.19, 95%CI 0.075-0.492)

●ランダム化後0-12.5ヶ月の期間の、入院が必要なCOPD増悪は、TLD群で有意に少なかった(time-to-first-event analysis:HR 0.35, 95%CI 0.13-0.99)。1年のフォローアップでTLD群12%(5 of 41)、シャム群32%(13 of 41)。

 

結論

●適切な吸入治療に加えてTLDを実施することで、有症状のCOPD患者の呼吸器イベントを減らすことができる。COPD増悪による入院も減少した。